- 患者さんご本人の体内から取り出した腫瘍を標的としてご提供いただける方
- ANK療法1クール(標準量の点滴12回)以上、受けられる方
- リンパ球分離採取を行われる方 (採血からの培養はお受けできません)
※ CTLの培養は、無償提供させていただいております
ANK療法を実施する医療機関では、CTL療法も提供することがあります。但し、いくつか条件があり、実際にお引き受けできる方は、ANK療法を受けられる方の2割以下です。
ANK細胞は、免疫を刺激する力が大変強いため、一度に点滴で戻せる細胞数には限りがあります。一度の点滴で、体内の免疫抑制が劇的に緩和されてしまうと、大きな腫瘍が壊死を起こすことが知られています。これは、溶け出したカリウムによる心停止など、大変、危険であり、ICU内で治療する必要があります。そのため、ANK療法では、全ての全身療法がそうであるように、一回の点滴だけで、腫瘍が壊死を起こすことがないように、細胞数の上限を設定しています。
一方、ANK細胞は、がん細胞を一つずつ殺しますので、数の戦いとなります。そこで少しでも、援軍を増やすため、CTL療法の併用を行うことがあります。
点滴で体内に戻されたCTL細胞は、CTL細胞に標的を教えるのに用いたがん細胞と同じ性質のがん細胞が体内に残っている場合は、がんと認識し攻撃します。 ANK 細胞は、CTLが標的とするがん細胞も含め、どんながん細胞でも攻撃しますが、CTLの応援があれば、がんとの戦力比が改善されます。
CTL単独治療は、選択肢として考えておりません。CTLには、免疫刺激能力はありません。だからこそ、大量に投与しても、腫瘍が壊死を起こすような威力はないのですが、強い免疫抑制を受ける患者体内に、単独で戻されたCTLは、直ちに、眠ってしまう、と考えられています。実際に、米国国立衛生研究所NIHが、CTLを用いたがん治療の大規模臨床試験を実施した際、単独投与では効果がなく、体内の免疫抑制を緩和する前措置を行った場合に限って、有効例が認められています。
詳しくは「なぜNK細胞なのか」をご覧ください。
CTL治療をご希望の場合は、手術を実施する医療機関からがん細胞を入手する必要がありますが、手続きについては、まずANK療法実施医療機関にご相談ください。